固定費と変動費の違い。求め方・分析・削減方法を紹介

企業において発生する費用を「売上高に比例するか」という視点で分析すると、固定費と変動費に分類することができます。

売上高に比例するのが変動費、比例しないのが固定費です。

事業を営む上で発生する経費を変動費と固定費に分類することは、企業が利益を上げるための施策を考える上で非常に重要です。

本記事では、固定費と変動費の違いや求め方、分析方法、削減方法について詳しく解説します。

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固定費と変動費は発生の仕方が違う

固定費と変動費の違いを一言で表すと「発生の仕方が違う」ことです。

以下より詳しく解説します。

固定費とは一定額が変わらずに発生する費用

固定費とは、一定額が変わらずに発生する費用のことです。

主な固定費として、以下の費用が挙げられます。

● 給与・賞与・退職金や福利厚生費などの人件費

● 減価償却費

● 家賃

● 光熱費

● リース料

ただし、具体的にどのような費用が固定費として発生するかは、個々の企業によって異なります。

また、固定費が小さいほど、会社は利益を出しやすくなります。

固定費が小さければ、その分損益分岐点も下がるためです。

変動費は生産・販売量に比例して発生する費用

一方、変動費は生産や販売量に比例して発生する費用を指します。

材料費や商品の仕入費用は、典型的な変動費です。

固定費と同様、企業によって具体的な内容は異なります。

厳密な分類は難しいため準固定費・準変動費の分類も

すべての費用を厳密に固定費と変動費に分類するのは容易ではありません。

固定費と変動費の要素を共に備えた準固定費や準変動費も存在します。以下にそれぞれについて詳しく解説します。

準固定費とは

準固定費とは、一定の範囲内の操業度においては固定的に発生するものの、その範囲を超えると急増し、再び固定化する原価を指します。

たとえば、これまでは昼間だけ操業していた工場が、生産数量を増やすために深夜も操業することになったとします。

この場合、新たに従業員を雇う必要が生じ固定費は急増しますが、一定の水準まで達すれば固定化するはずです。

グラフで表すと、以下のようになります。

準変動費とは

準変動費とは、操業度がゼロの場合でも一定額が発生する固定費の部分と、操業度の増加に応じて発生する変動費の部分を併せ持つ原価を指します。

わかりやすい順変動費の例は、電気料金です。

基本料金部分が固定費、実際の電気使用量に応じて料金が上がる部分が変動費と考えるとイメージがつきやすいでしょう。

グラフにすると以下のようになります。

固定費・変動費は固変分解で求める

固定費と変動費を求めるには、固変分解を行うのが一般的です。

固変分解とは何か、どのように計算するかについて、詳しく解説します。

固変分解とは原価を固定費と変動費に分類すること

固変分解とは、文字通り、原価を固定費と変動費に分類することです。

広く用いられている方法として、以下の4つがあります。

● 勘定科目法

● 高低点法

● スキャッター・チャート法

● 最小自乗法

固変分解の方法1.勘定科目法

勘定科目法とは、勘定科目を一つひとつ、変動費と固定費に振り分けていく方法です。

売上や販売数と比例的に発生するものは変動費、売上や販売数と関係なく一定額が発生するものは固定費と振り分けます。

変動費と固定費の例を表にまとめましたので参考にしてください。

変動費の例

材料の仕入高

梱包材の費用

運送費

売上に紐づく外注費や人件費

インセンティブ賞与

燃料費

固定費の例

月額給与等に固定的に発生する人件費

固定賞与

地代家賃

保険料

減価償却費

広告宣伝費

上記は参考例ですが、実際に勘定科目法による固変分解を行う際は、自社の実態に照らし合わせて判断しましょう。

固変分解の方法2.高低点法

高低点法とは、過去の実績データのうち、操業度が最も高い点と最も低い点に着目し、その両者間の原価の動きを直線とみなして変動費率と固定費を計算する方法です。

ただし、実際に計算するときは「正常な操業度であること」を前提として計算する点に注意してください。

高低点法の計算例

たとえば、以下のような過去6ヶ月間の製品生産量および製造間接費のデータがあった場合の高低点法による固変分解をしてみましょう。

生産量(個)

製造間接費(円)

1月

500

230,000

2月

300

210,000

3月

100

190,000

4月

600

240,000

5月

700

250,000

6月

900

270,000

※正常な操業度の範囲は、月間生産量200~700個の範囲とする

高低点法における分析は、以下の手順で行います。

1. 正常な操業度の範囲の中で高点と低点を見つける

2. 高点と低点の差から変動費率(直線の傾き)を求める

3. 低点(高点)の原価から変動費を差し引いて固定費額を求める

この手順に従い、計算してみましょう。

まず、高点は5月の700個、低点は2月の300個になります。

これらの2つの数値から、変動費率(グラフにした場合の直線の傾き)を求めることができます。

(高点の原価:250,000円-低点の原価:210,000円)÷(高点の操業度:700個-低点の操業度:300個)=@100円

固変分解の方法3.スキャッター・チャート法

スキャッターチャート法とは、目分量で固変分解を行う方法です。

原価の過去の実績データをグラフに記入し、データの中心を通る直線を目分量で引き、1次関数の傾きを求めます。

たとえば、このような月次試算表があったとしましょう。

この表のデータをもとに、グラフに点を打ち、目分量で線を引いていきます。

固変分解の方法4.最小自乗法

最小二乗法(回帰分析)とは、複数のデータの組を与えられたとき、そのデータの関係性を表すもっともふさわしい関数を数学的に求める手法のことです。

以下のグラフのように、予想される関数f(x)=ax+bと各々の点の距離の二乗が最小になるようにする手法と考えましょう。

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固定費と変動費がわかれば損益分岐点分析ができる

固定費と変動費が分かると、損益分岐点分析ができるようになります。

損益分岐点および損益分岐点分析について、詳しく解説しましょう。

損益分岐点とは「売上高=費用」になる点のこと

損益分岐点とは、売上高と費用が等しくなる点のことです。

売上高が損益分岐点を下回っていた場合、売上高<費用の状態(赤字)に陥ります。

会社は事業を続ける以上、できるだけ早い段階で損益分岐点を上回る売上を出し、それを維持しなくてはなりません。

損益分岐点分析の計算方法

損益分岐点分析の手順は以下の通りです。

1. 損益分岐点を求める

2. 損益分岐点比率を求める

3. 安全余裕率を求める

それぞれのステップについて、詳しく解説します。

ステップ1.損益分岐点を求める

まず、損益分岐点売上高を求めます。

損益分岐点売上高は「固定費÷(1-変動費率)」という式で計算可能です。

なお、変動費率とは売上に対する変動費の割合を指します。

以下のようなケースを考えてみましょう。

● 商品の販売単価:1,000円

● 商品1個あたりの変動費:600円

● 1ヶ月間の固定費:120,000円

この場合、損益分岐点売上高は「120,000円÷(1-0.6※)=300,000円」となります。

※600円÷1,000円=0.6

ステップ2.損益分岐点比率を求める

次に、損益分岐点比率を求めます。

損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高がどのくらいの割合なのかをみる収益性の指標です。

「損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高」という式で求めることができます。

先ほどの例と同じ前提条件で、実際の売上高が400,000円だった場合、損益分岐点比率は「75%(=300,000円÷400,000円)」となります。

ステップ3.安全余裕率を求める

最後に、安全余裕率を求めます。

安全余裕率は「1-損益分岐点比率」で求めることができます。

たとえば、損益分岐点比率が75%(=0.75)だった場合、安全余裕率は25%(=0.25)となります。

損益分析点分析の活用法

損益分岐点分析は、以下の目的のためにも有効活用できます。

● 事業別損益分岐点分析による、高リスク事業・低リスク事業の明確化

● 投資計画を変更した場合、業績にどのような影響を与えるかを明確化

● 利益計画達成に必要な売上高の明確化

固定費を削減する経営方法

損益分岐点分析を行った結果、固定費がかかりすぎていると判断された場合は、削減するための施策を講じましょう。

具体的な方法として、以下の2つを紹介します。

● 不要な人件費の削減に業務の電子化・DX化

● レンタカー・カーシェアリングなどリースやレンタルを活用

不要な人件費の削減に業務の電子化・DX化

業務の電子化・DX化をすれば、不要な人件費の削減につながります。

わかりやすい例が、請求書や領収書のやり取りです。

これらを電子化できれば、紙代・インク代・郵送代・人的コストが削減できるため、年間数十万円のコスト削減につながります。

レンタカー・カーシェアリングなどリースやレンタルを活用

使用頻度が低いものは、リースやレンタルを活用しましょう。

たとえば、社用車を所有していると、自動車税や駐車場代などの固定費を必ず払わなくてはなりません。

使用頻度が低い場合には、レンタカーやカーシェリングなど、車を所有せずに使う方法を検討したほうがコストの削減には役立ちます。

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固定費を減らすには適切な社内体制を

固定費を正確に把握し、損益分岐点分析を行い、課題をあぶりだすためには、日々の経理業務が順調に行われている必要があります。

経理業務に割ける人的リソースが十分ある場合は問題ありませんが、人的リソースが不十分である場合、どこかでひずみが生じる可能性があります。

まずは、人的リソースの不足を補うことを考えましょう。

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