適切な原価率の管理から業績の向上へ。計算方法やロス率との関係性も解説

原価率とは、売上高の総額に占める原価の割合です。

あまりに高ければ利益が圧迫されるため、まずは自社にとっての適切な水準を知る必要があります。

また、上手に切り下げることができれば、業績の向上につなげることも可能です。

今回の記事では、原価率について、計算方法やロス率との関係性にも触れつつ解説します。

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原価率とは売上高の総額に占める原価の割合

原価とは売上を得るために直接かかったお金のことで、原価率とは、売上高の総額に占める原価の割合を指します。

原価が売り上げに対しどれぐらい発生しているかを知るための指標と考えましょう。

業種・業態によって原価に含まれる勘定科目異なりますが、一般的には材料費や人件費、光熱費や外注費などが含まれるのが一般的です。

原価率を正しく把握することは利益の向上に寄与

原価率を正しく把握することは、利益の向上に寄与します。

原価率が高いと利益率は下がるため、原価率をうまく下げるのが利益を出す上で非常に重要です。

ただし、原価率を下げすぎるのは商品・サービスの劣化にもつながります。

顧客離れを起こさないよう、絶妙な匙加減が必要です。

原価率の目安は業界で異なるためまずは正しい計算方法を知ろう

原価率の望ましい水準は、業種・業界によってもまったく異なります。

また、自社が目指す方向性によっても原価率は左右されるため、単純に「原価率が高い=悪い」とも言い切れません。

重要なのは「自社にとっての望ましい原価率を探ること」です。

これらの点について、詳しく解説します。

原価率は「売上原価÷売上高×100」で計算できる

まず、原価率は「売上原価÷売上高×100%」という式で計算できます。

たとえば、売上原価が800円、売上高が1,000円だった場合、原価率は「800円÷1,000円×100%=80%」です。

商品や材料の在庫の価値が低下していた場合は、棚卸評価損を計上し、売上原価もしくは製造原価に含めて計算します。

そのため、商品や材料の価値が低下したら、原価率は上がるので注意しましょう。

先ほどの例から一歩踏み込み、商品の仕入れによる売上原価800円以外にも、棚卸評価損50円が生じていたケースを想定します。

売上高が同じく1,000円だった場合、原価率は85%(=850円÷1,000円×100%)になります。

原価率は業界によって異なるため自社の業界の平均を知ろう

原価率は業界によって異なるため、自社が属する業界の平均値を知っておきましょう。

「2021年経済産業省企業活動基本調査」によれば、主要産業の一企業当たりの売上原価比率は以下のようになっていました。

製造業 80.8%
卸売業 87.6%
小売業 71.2%
合計 80.5%

出典:経済産業省「2021年経済産業省企業活動基本調査」

これらの数値より極端に高い場合は、早急に要因を特定し、要因に合った施策を講じるのをおすすめします。

自社がどこを目指しているかによっても望ましい原価率は異なる

ただし、自社が何を目指しているかによっても、望ましい原価率および原価率の下げ方は異なります。

たとえば、自社が料理のおいしさに定評のあるカフェを運営していたとします。

料理に力を入れている以上、材料費もかかりがちなため、原価率も高くなるでしょう。

しかし、原価率が高いからといって、いきなり材料費を切り下げる方向に舵を切るのは好ましくありません。

「あのカフェは最近ご飯の味が落ちた」と顧客離れを招く恐れも出てきます。

自社の強みが料理の味にあるなら、その強みを打ち出して顧客にアプローチしていくのが目指す方向性です。

そのため、料理の味をキープするための支出は必要経費と割り切り、ある程度の原価率の高さは許容する必要があります。

その他の方面で原価率を下げる施策を講じられないか考えてみましょう。

3C分析も取り入れてみよう

自社が目指す方向性を明らかにし、事業の進むべき方向を見定めるための分析として、3C分析を紹介します。

3C分析とは、以下の3つを対象にしたフレームワークです。

  • 市場・顧客(Customer):市場や顧客のニーズをつかむ
  • 競合(Competitor):競合他社が市場のニーズにどのように対応しているかを把握する
  • 自社(Company):市場や顧客、競合他社にどう向き合っていくかを見出す

以下の図のようにフレームを作り、空白を埋めてみるだけでも簡単な3C分析はできます。

市場・顧客顧客層
顧客ニーズ
競合競合他社の強み弱み
自社自社の強み弱み

先ほどの例のように、自社が目指す方向性を実現できない形で原価率を切り下げるのは、長期的に見て好ましくありません。

単に原価率を下げるのではなく「どうすれば顧客離れを起こさず、上手に着地できるか」を考えるためにも、自社の方向性を明らかにしていきましょう。

原価率が高くなる3つの要因

一口に原価率が高くなったといっても、要因によって意味合いや取るべき解決策が異なるため注意が必要です。

ここでは、原価率が高くなる3つの要因について、詳しく解説します。

トレンド:商品の売れ筋が変化している

1つ目の要因は、トレンドです。

商品の売れ筋が変わり、原価率の高い商品が売れるようになった場合を考えてみましょう。

このとき、売上高は同じでも原価率は高くなるため、最終的に売上総利益は下がります。

たとえば、A(1個1,000円、原価率65%)とB(1個1,000円、原価率80%)の商品を扱っている会社があったとします。

以前は、A・Bともに100個売れていたとしましょう。

この時の全体の原価率は以下のように計算できます。

  • 売上原価:1,000円×65%×100個+1,000円×80%×100個=145,000円
  • 売上高:1,000円×200個=200,000円
  • 原価率:145,000円÷200,000円×100%=72.5%

その後、トレンドが変わり、Aが50個、Bが150個売れるようになりました。

このときの全体の原価率は、以下のように計算できます。

  • 売上原価:1,000円×65%×50個+1,000円×80%×150個=152,500円
  • 売上高:1,000円×200個=2000,000円
  • 原価率:152,500円÷200,000円×100%=76.25%

評価損:商品や材料を仕入れ過ぎて価値が落ちた

2つ目の要因は評価損です。

商品や材料を仕入れ過ぎて価値が落ちた状態を考えましょう。

たとえば、500円で仕入れた商品を最終的に300円で売らないといけなくなった場合は、200円(=500円ー300円)の棚卸資産評価損が計上されます。

このとき、棚卸資産評価損は売上原価(製造業の場合は製造原価)に算入されるため、原価および原価率は増える仕組みです。

ただし、商品や材料の価値が急落した理由が、以下に挙げるような特別な事情だった場合は、特別損失として計上するケースもあります。

  • 地震などの災害によって商品・材料の一部または全部が損失を受けた
  • 部門の統廃合などにより商品の販売停止や材料の使用中止が起きた

なお、商品や材料を廃棄した場合は、自社の原価管理を正しく行う観点から、売上原価には含めず、特別損失に計上するのが一般的です。

品質の流動:使う材料が増えている

3つ目の要因は品質の流動です。

簡単に言うと、販売する商品・製品・サービスは同じなのに、使う材料が増えていることを指します。

特に、飲食店ではオーバーポーションといって、規定の分量より多い食材を使って料理を提供するのが常態化していると、原価率が高くなるため要注意です。

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原価率を低く推移させるための施策

原価率が高かった場合は、要因をつきとめた上で、引き下げるための施策を講じなくてはいけません。

具体的に何をすべきかを解説します。

在庫管理の見直し

在庫管理に不備があると、適切な管理ができず、ロスや商品価値の低下につながってしまいます。

結果として原価率が上がり、利益率を押し下げてしまうため、在庫管理の見直しをしましょう。

定期的な棚卸をして在庫状況を適切に把握できるようにしてください。

調達先の見直し

調達先の見直しも、原価率を下げるためには有効です。

同じ材料・原料であっても、どこから仕入れるかによって調達価格は大きく異なります。

複数の会社から相見積もりを取るなどして、比較検討しましょう。

仕入量を見直し

あまり使わない材料や販売量の少ない商品がある場合は、仕入れ量を見直しましょう。

このような材料や商品を大量に仕入れると、ロスや長期保管による価値の劣化が起きてしまいます。

過年度の売上データを参考に、最適な発注量を考えましょう。

販売価格を見直し

原材料価格が高騰している局面では、原価を引き下げるにも限界があります。

販売価格を上方修正することで、原価率を下げる工夫も必要です。

ただし、あまり急激な値上げをすると顧客離れにもつながるため、慎重に検討しましょう。

ロス・不良品の削減

ロスや不良品が多く生じると利益は減るため、できるだけロスや不良品を出さないよう、在庫管理や生産方法の見直しを行いましょう。

また、在庫管理や生産・販売に携わる従業員が適切に業務を遂行できるよう、マニュアルを整備するなどの工夫も必要です。

適切な原価管理のためにプロの視点を導入して経営状況の改善・安定化

結局のところ、原価率が高いのには、何らかの要因があるはずです。

要因を突き止め、早めに適切な施策を講じることが、結果として原価率の抑制につながります。

しかし、要因の突き止め方や施策の考え方がわからなければ、なかなか前に進みません。

適切な原価管理のためにプロの視点を導入し、経営状況の改善・安定化を図りたければ、一度リンクスエージェントにご相談ください。